自然な視線

boniverの「22、A Million」を車内でかけている。

地中海美術館へ連れて行ってもらった。瀬戸内海のど真ん中の島。洗練されたアートに囲まれた島。

1年分の日差しを浴びた気がする。みんな電動自転車の中、私達はケチって普通のママチャリ。ここはやめとけ!バスで行け。と借りる時に言われた急すぎる坂道峠越えを普通の自転車で行きました。膝を痛めた。死ぬかと思った。

そして、念願のモネの絵を見た瞬間、こいつ暗っ!って何故か思った。もう死ぬほど暗い何か。怒りも入ってるかも凄まじい執着心。何故だ何故だと葛藤しながら塗り重ねてるような。一部色が薄いけど視線を浴びすぎたのかもう自然の色じゃない。自然を描いてるのに自然じゃなくて、モネは何を描いてたのだろう。池じゃなくて池を通して自分を描いてたのかも。水面に映る何かが人に見えた。あとあの空間は異質だ、不自然だ怖い。とにかくぶきみ。「自然と不自然」と「視線」と「光」がテーマなのかな。

大自然の中にコンクリートに囲まれた冷たい建物、海に面して草間彌生の謎の物体がぽつんとある所、毎日自転車で駆け回る観光客の中で娯楽は井戸端会議しかないような生活の住民、不自然すぎる。いや、これはもう住民にとっては自然な事なのだろうか。そもそも自然な視線、普遍的な物差しとは何だろうか。いつも自然体な物なんてこの世に無いのかもしれない。